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ごあいさつ
Greeting

理事長ご挨拶

医者になって間もなく循環器疾患とくに急性期治療の現場に身を置きそのやりがいに目覚めました。
それ以来一貫して医療を通して患者さんに『病後も生活の質を落とす事なく、よりよい人生を歩んでいただきたい』、その大きな目標を追いかけて日本のカテーテル治療の先駆者である先生方に師事し、自らの技術レベルの向上に励んでまいりました。
身体にあけた数ミリの入り口を通してカテーテルが血管をつたい、奥深い心臓に到達し病変を治療するという技術の黎明期からその発展とともに学び修行してきました。
1956年にフォルスマンが心臓カテーテル法の業績でノーベル医学・生理学賞を受賞し、その意義が認知されて以来半世紀を過ぎた現在では更に診断から治療へと広がり、いかに少ない侵襲で最大の治療結果を得るかという大きなテーマとなり日々進化しています。
命を救うこと、そして手術や治療の苦しみを減らすこと。これは、江戸時代、世界初の全身麻酔を用いた乳がん手術を成功させた医師・華岡青洲の精神を継ぐものであります。
当院の開設により、地域の患者さんに常に最適な医療を提供するとともに、次の世代を担う医師に技術と志をつないでいくことに努力してまいります。

華岡青洲記念病院の理念

本院は、先祖である華岡青洲の名を冠して命名しました。
華岡青洲(三代 隨賢)は江戸時代に『内外合一』『活物窮理』を真理探求の銘とし、文化元年(1804年)に、歴史上証明できる世界初の全身麻酔手術を成功し、日本の医学に大きな業績を遺しました。
本院はその精神を継承しつつ、現代における診療精神の実践の為に、次の4つの理念を掲げます。

  • 誠実な実践
  • 合理的考察
  • 真理の追究
  • 調和と共生

誠実性を持って医療と対峙した実践を心掛けます。
その為に、合理的な精神で物事を考えます。
科学・技術の進化を意識し、真理の追究を継続していきます。
共生の理念の基、調和を心掛け、地域医療のニーズを柔軟に取り入れていきます。

華岡慶一
(九代 隨賢)

院長ご挨拶

成人循環器疾患に対する内科的治療を先進的にすすめてきた華岡青洲記念病院の新しいステージとして、2019年9月末から心臓血管外科手術を開始しました。冠動脈疾患、弁膜症、大動脈瘤手術などに加え末梢動脈疾患や静脈瘤の血管内治療、硬化療法など多岐にわたる手術を行っています。開胸・開腹はもちろんのこと、ステントグラフトなどの低侵襲治療にも積極的に取り組んでいます。2室の専用手術室では、最新の器械をそろえ、3D/2D内視鏡システム、最新型hybrid手術室を完備。また手術室の電源コードを可及的表面に出さない天井からのペンダントをデザインしたことによって、快適な環境で手術を行っています。
華岡青洲先生はもともと外科医です。「内外合一」「活物窮理」が先生の有名な言葉の一部ですが、その解説文を、当院に併設している華岡青洲文献保存会が現代文に訳しました。

「元々内科医・外科医と内・外の区分がある。内科を重んじ外科を輕んじるのは、昔から既にそうであった。ところで、内科に精しくなくてうまく外科を治療する者などいまだかつて無いのである。思うに優れた医者は内科に精しく外科を知っている。その内科に精しく外科を知る者というのは、先ず一生懸命考え抜き医術を明らかにし、そうして知力を尽くして技術を磨き、身体・生命に即してその原理を追究する。その両方を会得して内科・外科を知るのである。こうして初めて一緒に外科を語ることができる。そこで私が嘗て言った、”病気を治そうとすれば、内科・外科の双方に精通することが必要である。治療の方法や薬に昔も今も無く、ただ持てる限りの知力を尽くすのみである”とは、このことを言うのである。」

まさに今から200年以上前に、医療の本質、医療者の心構えをみごとに言い当てられています。その意味でも、われわれは華岡青洲先生の名を汚さないよう精進しようと考えています。

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