> クライオアブレーション(冷凍バルーンアブレーション)

クライオアブレーション
(冷凍バルーンアブレーション)
Ablation

クライオアブレーション(冷凍バルーンアブレーション)とは

当院では、心房細動を根治するカテーテルアブレーション治療の最新治療法である「クライオアブレーション」にて、多くの患者さんの治療を行っております。

クライオアブレーションは不整脈を治療するために、心臓の筋肉内を伝わる電気伝導の異常をカテーテルで治療する、非常に難易度の高い治療です。
治療方法は、-60℃まで心筋組織を冷凍することで細胞障害を引き起こし、電気的興奮や伝導を生じないようにさせる治療法です。心房細動に対する治療では、高周波と同様に、肺静脈と左心房間の伝導を遮断することを目標に行います。
バルーンカテーテルを用いて、肺静脈を塞ぐように押しつける要領で、肺静脈周囲を冷却、隔離します。

  • 1.カテーテルを肺静脈に留置

  • 2.バルーンを膨らませる

  • 3.バルーンで肺静脈を閉塞し、冷凍を開始(3~4分間)

  • 4.カテーテルで電気的隔離を確認し終了

提供:日本メドトロニック株式会社

全身麻酔で痛くないアブレーションを行います

「治療の苦しみを減らすこと」は医師・華岡青洲の精神を継ぐものであり、当院では積極的に全身麻酔にてクライオアブレーションを行っております。

心臓を高周波で焼灼すると、焼く場所によっては激しい痛みを自覚し「アブレーション治療は痛い」「寝ている間に手術は終わって欲しい」とほとんどの患者さんに言われます。

全身麻酔で行う目的は「患者さんに痛みがなく、手術を楽に受けられる」、人工呼吸器により呼吸が安定し「心臓の上下運動が少なく、カテーテルの固定が容易で、治療効果が高まり、合併症予防にもつながる」などです。

対象となる疾患(適応・除外基準)

心房細動による自覚症状が強く、抗不整脈薬でも発作が抑制されない方が対象です。
心房細動は発作性と持続性とに分類されます。発作性は長くても1週間以内に停止するもので、持続性は1週間以上続くものです。
クライオアブレーションは、この「発作性心房細動」「持続性心房細動」が適応となります。

※肺静脈の形態異常(共通管など)は難しい場合があります。
 そのような方は高周波アブレーションによる治療が選択されます。

当院では3名の医師にて行っております

循環器内科・心臓内科
診療部長

石丸 伸司

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循環器内科・心臓内科
医長

川﨑 まり子

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循環器内科・心臓内科
医長

鎌田 塁

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アブレーションの全身麻酔は麻酔専門医が担当しております

日本不整脈心電学会によると、心房細動のカテーテルアブレーションを実施している病院のうち、麻酔科医が全ての症例の全身麻酔を担当している病院は全体の1.5%しかありません。
しかし、当院では患者の方が安心して心房細動カテーテルアブレーションを受けて頂けるように、全ての症例の全身麻酔を麻酔科専門医が担当しております。
当院の心房細動カテーテルアブレーションは1~2時間で終了することが多く、全ての患者の方がカテーテルアブレーション 終了後10分以内に麻酔から覚醒しております。

心房細動カテーテルアブレーションを受ける患者の方の中で、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を併発している方は、少なくありません。睡眠時無呼吸症候群のうち上気道閉塞が原因と考えられる閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は心房細動の30-40%を占めると言われており、OSAの患者の方がカテーテルアブレーションを受ける際は、カテーテルアブレーション中の気道管理や呼吸管理が難しい場合があります。

しかし当院では、気道管理や呼吸管理は麻酔科専門医が行っており、安全なカテーテルアブレーションを提供することが可能となっております。

以上により、睡眠時無呼吸症候群またはその疑いがある方は、安全に心房細動カテーテルアブレーション治療を受けられることをお勧めいたします。

また、心房細動に加えて、未成年の方のカテーテルアブレーションにおいても、全身麻酔を提供しております。

麻酔科
診療部長

新井田 周宏

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